ためさん(@sstamezo)です。
今回は日本の資産運用のバイブル、本多静六氏の「私の財産告白」について書きたいと思います。
3年ほど前に資産運用について本格的に興味を持って投資を始めました。興味を持って始めたのは良いのですが、当時は右も左も分かりません。
身の回りに資産運用を行なっている人もいないので、最初はひたすら個人投資家のブログや評判の良い本を読んでいくしかありませんでした。
資産運用で評判の良い本として紹介されていた一つが、この「私の財産告白」でした。
本多静六氏は、1866年から1952年に生きていた人です。東大とドイツの大学を出て教授となったものの、9人の家族を養いながらも若い頃は貧乏生活を続け、そこで捻出したお金を投資に回していき、晩年は富豪にまでなりました。
その本多静六氏が晩年に書き残したのが、「私の財産告白」です。
今と昔は貯金利息の利回りが違ったり、伸びる業界が全然違うので全て真似できるわけではありませんが、その考え方は示唆に富んでおり、現在でも評価の高い本です。
「四分の一天引き貯金法」とは、名前の通り、給料や収入の4分の1を自動的に天引きするように貯金していくという方法です。
自分の心に負けないように、自動的に分けて貯金していく、というところがミソです。
分けた貯金はどうするのかというと、いざという時の投資用になります。
本多氏がこの「四分の一天引き貯金法」を始めるきっかけになったときのエピソードを引用させていただきます。
貧乏を征服するとか、すすんでやっつけるとか、貧乏を圧倒するという表現が良いですね。ギラギラ感半端ないっすね。
本多静六氏は有名な資産家ですが、若い頃は貧乏だったいうのが、同じ貧乏投資家の励みになりますね。
(中略)
ちなみにこの「四分の一天引き貯金法」は、本多氏の完全なオリジナルではなく、なんと仏教の教えに由来しているそうです。
古代バビロンの石版にも似たような事が書いてあったといいますし、昔の人の叡智はすごいです。
あとは、アメリカの投資の本でよく出てくる、複利の表現としてスノーボール(雪玉)が出てきますが、その表現もでてきます。
私はバフェット辺りが言い出した表現だと思っていたので、戦前を生きた日本人がこの表現を使っているのに少し驚きました。
このあたりもすごいですね。この本は戦後間もないころに書かれています。それなのに最近の投資家ブロガーみたいなこと言ってますよね(笑)
ここでいうアルバイトは副業のことみたいものなので、もう完全に最近の事を話しているみたいです。
「私の財産告白」は「四分の一天引き貯金法」が有名ですが、実は株式投資法も少し書かれています。
これは保有株が二割上昇したところで全体の二割を利食いし、十割益なので2倍になったところで更に半分手放すという方法です。
投資スタイルは人それぞれなので、これについては賛否両論あると思います。自分の中で投資ルールを作る人は強いので、一つの参考になると思います。
本書の中には、他にもいろいろな示唆に富む名言が出てきます。あとはあまり関係ないエピソードも出てきます。今度新しい1万円札の顔になる実業家の渋沢栄一氏と面会したときの話などもあります。
この渋沢氏との面会は、本多氏自身が人生で嬉しかったことの一つのようで、少しページを割かれて書かれていました。
この本を読んで、渋沢栄一氏が当時の資産家たちの間でも別格だったことが分かりました。まさか新しい紙幣の顔になるとは思いませんでしたが。話が脱線しました。
私は資金ほぼゼロからスタートしているので、入金投資法以外あり得なかったです。
しかし、もともとまとまった資産があって、それを運用しようと思って始める人達も多いです。
入金投資法の方がマイナーなのかも知れません。
ところで、資産が少ないうちに投資を始める人にとっては、この「四分の一天引き貯金法」(入金投資法)の方が有利です。
だいたい予想はつくと思いますが、一応その理由を書きます。
まず、資金が少ないうちは投資で増やすよりも節約して増やしたほうが簡単に資金を増やしていくことが出来ます。
例えば資金が10万円しかない場合、20万円にするのに、投資で増やそうとしたら結構ハードルが高いです。
10万円でできる投資を選ばなければなりませんし、2倍にするというのもハイリスクな投資を選ばなければなりません。
それよりももう10万円、頑張って貯金した方が楽です。
これがもし、資産が数千万円あって、10万円増やすということになったら話が変わってきます。
そのくらいあれば、定期預金に一年くらい預けているだけで増えます。
私は少なくとも1000万円くらいまでは入金投資法を続けるつもりです。もちろん、身辺の事情が今後どうなるか分からないので、確実には言えませんけど。そのほうが早く資産が増えますので、余裕がある限りは続けます。
これは資産が少ないというか、初心者にとってメリットのあることです。
追加入金できない投資家は、一度損失をしたら、その損失は基本的に投資によってのみしか取り返すことが出来ません。(配当や分配金によって取り返せる人もいます。)
しかし、兼業投資家で入金することができれば、その損失は入金によって取り返すことが出来ます。
実際の例として、私の昨年の投資によるトータルリターンは、マイナス60万円程でした。
しかし、収入から投資用に入金もしていて、去年は110万円くらいの入金したので、結果的に昨年の資産は50万円ほどプラスでした。
損失した当初は、ただ貯金しているだけだったら60万円今より多かったのか…。と沈んでいましたが、最近はいい授業料だったと思います。
なぜなら、昨年の失敗が今の投資スタイルに生きているからです。
昨年の損失額はだいたいパーセンテージで言うとマイナス30%ぐらいだと思いますが、もし資産が一億で同じ割合で損失していたら、3000万円です。
さすがに3000万円を損失したら、収入の入金で取り返すのは高収入の方でも難しいはずです。そうなるといくら勉強になったとしても、精神的にそんなこと言えないレベルのダメージも負います。
でも、実際にそういう人もいるわけで、そういう意味では資金が少ない人の方が入金できれば有利です。
また、入金で補填できると考えれば、入金できない人よりもリスクを取ることも出来ます。
この考えは場合によっては危険ですけど…。入金してもいつまでも失敗して増えん…。と言うようにはならないようにしたいです。
要するに、入金してすぐ取り返せる額ぐらいのうちに失敗して経験を積めるのは大きいということです。
これも入金投資の大きな利点です。
例えばリーマンショックのとき、多くの投資家はもう底値だと思ってどんどん株価の下がる銘柄を買い増しをしていき、でも全然底にならないでナンピン地獄に陥り、キャッシュがなくなってしまったと聞きます。
そうしたときに、入金投資できない投資家は、そこから投資ししたい銘柄があっても、もう黙ってみていることしかできなくなります。
しかし、収入が別にあれば、一時的に資金がなくなっても入金して新規投資をすることが出来ます。
結果的に底値あたりで買うことができれば、のちに大きなリターンを得られる可能性も高まります。入金投資ができる人は不景気時の相場の底で効果を発揮することができます。
また、資産運用の本で「隣の億万長者」という本もあり、こちらもオススメです。またいつかこの本についても書きたいと思います。
本多静六氏は関東大震災で暴落した株や土地に投資したりと、結果的に見れば上手いですが当時としては悲観的でなかなか出来ないことをやっています。
ブラックマンデーやリーマンショックで周りが悲観的な時に、一人で大量に投資したバフェット氏とも似ていると思います。
ところでこの本、戦後間もない頃に書いた老人の著作なので、それにしてはわかりやすい気もしますが、昔の表現や言葉もあって若者はとっつきにくいと思います。
しかし、これからの時代、資産運用は大事だと思いますので、ぜひもっと読みやすいようにリメイクして出版してほしいところです。
いっそのこと若者言葉に変えて出版し、学生に読ませましょう。
「本多の「四分の一天引き貯金法」で、タピる(タピオカドリンク飲む)お金の四分の一残しとくとマジ映えるよ。」
みたいな。(そんなの誰も読まねーよ…)
今回は日本の資産運用のバイブル、本多静六氏の「私の財産告白」について書きたいと思います。
『私の財産告白』は資産が少ない投資家のバイブル
3年ほど前に資産運用について本格的に興味を持って投資を始めました。興味を持って始めたのは良いのですが、当時は右も左も分かりません。
身の回りに資産運用を行なっている人もいないので、最初はひたすら個人投資家のブログや評判の良い本を読んでいくしかありませんでした。
資産運用で評判の良い本として紹介されていた一つが、この「私の財産告白」でした。
本多静六氏は、1866年から1952年に生きていた人です。東大とドイツの大学を出て教授となったものの、9人の家族を養いながらも若い頃は貧乏生活を続け、そこで捻出したお金を投資に回していき、晩年は富豪にまでなりました。
その本多静六氏が晩年に書き残したのが、「私の財産告白」です。
今と昔は貯金利息の利回りが違ったり、伸びる業界が全然違うので全て真似できるわけではありませんが、その考え方は示唆に富んでおり、現在でも評価の高い本です。
本多式「四分の一天引き貯金法」とは
「四分の一天引き貯金法」とは、名前の通り、給料や収入の4分の1を自動的に天引きするように貯金していくという方法です。
自分の心に負けないように、自動的に分けて貯金していく、というところがミソです。
分けた貯金はどうするのかというと、いざという時の投資用になります。
本多氏がこの「四分の一天引き貯金法」を始めるきっかけになったときのエピソードを引用させていただきます。
(前略)
これではいつまでたっても貧乏から脱けられない、貧乏を征服するには、まず貧乏をこちらからすすんでやっつけなければならぬと考えた。
貧乏に強いられてやむを得ず生活をつめるのではなく、自発的、積極的に勤倹貯蓄をつとめて、逆に貧乏を圧倒するのでなければならぬと考えた。
貧乏を征服するとか、すすんでやっつけるとか、貧乏を圧倒するという表現が良いですね。ギラギラ感半端ないっすね。
そこで断然決意して実行に移ったのが、本多式「四分の一天引き貯金法」である。苦しい苦しいで普通の生活をつづけて、それでいくらか残ったら…と望みををかけていては、金輪際余裕の出てこようはずはない。貧乏脱出にそんな手ぬるいことではとうてい駄目である。
いくらでもいい、収入があったとき、容赦なくまずその四分の一を天引きにして貯金してしまう。そうして、その余の四分の三でいっそう苦しい生活を覚悟の上で押し通すことである。これにはもちろん、大いなる決心と勇気が必要である。しかも、それをあえて私は実行したのである。
本多静六氏は有名な資産家ですが、若い頃は貧乏だったいうのが、同じ貧乏投資家の励みになりますね。
(中略)
この一ヶ月四円五十銭の天引きが、のちに数百円(実質何千万円)の資産を積む第一歩となったのだから、われながら大いに驚く次第である。
ちなみにこの「四分の一天引き貯金法」は、本多氏の完全なオリジナルではなく、なんと仏教の教えに由来しているそうです。
古代バビロンの石版にも似たような事が書いてあったといいますし、昔の人の叡智はすごいです。
あとは、アメリカの投資の本でよく出てくる、複利の表現としてスノーボール(雪玉)が出てきますが、その表現もでてきます。
(前略)
とにかく、金というのもは雪達磨のようなもので、初めはホンの小さな玉でも、その中心となる玉ができると、あとは面白いように大きくなってくる。少なくとも、四分の一天引き貯金で始めた私の場合はそうであった。
私はバフェット辺りが言い出した表現だと思っていたので、戦前を生きた日本人がこの表現を使っているのに少し驚きました。
貯蓄から投資へ
貯金とアルバイトで雪達磨の芯を作る。さて、このあとをどうするのか。
(中略)
それは断じて「投機」ではない。「思惑」ではいかん。あくまでも堅実な「投資」でなければならぬのだ。
このあたりもすごいですね。この本は戦後間もないころに書かれています。それなのに最近の投資家ブロガーみたいなこと言ってますよね(笑)
ここでいうアルバイトは副業のことみたいものなので、もう完全に最近の事を話しているみたいです。
本多流投資術
「私の財産告白」は「四分の一天引き貯金法」が有名ですが、実は株式投資法も少し書かれています。
まず、株式のお話から始めるとすると、「二割利食い十割益半分手放し」という法で押し通した。
これは保有株が二割上昇したところで全体の二割を利食いし、十割益なので2倍になったところで更に半分手放すという方法です。
投資スタイルは人それぞれなので、これについては賛否両論あると思います。自分の中で投資ルールを作る人は強いので、一つの参考になると思います。
本書の中には、他にもいろいろな示唆に富む名言が出てきます。あとはあまり関係ないエピソードも出てきます。今度新しい1万円札の顔になる実業家の渋沢栄一氏と面会したときの話などもあります。
この渋沢氏との面会は、本多氏自身が人生で嬉しかったことの一つのようで、少しページを割かれて書かれていました。
この本を読んで、渋沢栄一氏が当時の資産家たちの間でも別格だったことが分かりました。まさか新しい紙幣の顔になるとは思いませんでしたが。話が脱線しました。
現在は入金投資法とも言われる
この本多氏の「四分の一天引き貯金法」の事を、現代では入金投資法とも言われます。何分の一を回すかは人それぞれでしょうが、給料などの収入などを投資用に入金しながら投資していくスタイルです。私は資金ほぼゼロからスタートしているので、入金投資法以外あり得なかったです。
しかし、もともとまとまった資産があって、それを運用しようと思って始める人達も多いです。
入金投資法の方がマイナーなのかも知れません。
資産が少ない投資家は「四分の一天引き貯金法」(入金投資法)の方がいい理由
ところで、資産が少ないうちに投資を始める人にとっては、この「四分の一天引き貯金法」(入金投資法)の方が有利です。
だいたい予想はつくと思いますが、一応その理由を書きます。
資産が少ないうちは入金によるプラスが大きい
まず、資金が少ないうちは投資で増やすよりも節約して増やしたほうが簡単に資金を増やしていくことが出来ます。
例えば資金が10万円しかない場合、20万円にするのに、投資で増やそうとしたら結構ハードルが高いです。
10万円でできる投資を選ばなければなりませんし、2倍にするというのもハイリスクな投資を選ばなければなりません。
それよりももう10万円、頑張って貯金した方が楽です。
これがもし、資産が数千万円あって、10万円増やすということになったら話が変わってきます。
そのくらいあれば、定期預金に一年くらい預けているだけで増えます。
私は少なくとも1000万円くらいまでは入金投資法を続けるつもりです。もちろん、身辺の事情が今後どうなるか分からないので、確実には言えませんけど。そのほうが早く資産が増えますので、余裕がある限りは続けます。
失敗して損失してもリカバリーできる
これは資産が少ないというか、初心者にとってメリットのあることです。
追加入金できない投資家は、一度損失をしたら、その損失は基本的に投資によってのみしか取り返すことが出来ません。(配当や分配金によって取り返せる人もいます。)
しかし、兼業投資家で入金することができれば、その損失は入金によって取り返すことが出来ます。
実際の例として、私の昨年の投資によるトータルリターンは、マイナス60万円程でした。
しかし、収入から投資用に入金もしていて、去年は110万円くらいの入金したので、結果的に昨年の資産は50万円ほどプラスでした。
損失した当初は、ただ貯金しているだけだったら60万円今より多かったのか…。と沈んでいましたが、最近はいい授業料だったと思います。
なぜなら、昨年の失敗が今の投資スタイルに生きているからです。
昨年の損失額はだいたいパーセンテージで言うとマイナス30%ぐらいだと思いますが、もし資産が一億で同じ割合で損失していたら、3000万円です。
さすがに3000万円を損失したら、収入の入金で取り返すのは高収入の方でも難しいはずです。そうなるといくら勉強になったとしても、精神的にそんなこと言えないレベルのダメージも負います。
でも、実際にそういう人もいるわけで、そういう意味では資金が少ない人の方が入金できれば有利です。
また、入金で補填できると考えれば、入金できない人よりもリスクを取ることも出来ます。
この考えは場合によっては危険ですけど…。入金してもいつまでも失敗して増えん…。と言うようにはならないようにしたいです。
要するに、入金してすぐ取り返せる額ぐらいのうちに失敗して経験を積めるのは大きいということです。
金融ショック時や景気後退時でも買い増しできる
これも入金投資の大きな利点です。
例えばリーマンショックのとき、多くの投資家はもう底値だと思ってどんどん株価の下がる銘柄を買い増しをしていき、でも全然底にならないでナンピン地獄に陥り、キャッシュがなくなってしまったと聞きます。
そうしたときに、入金投資できない投資家は、そこから投資ししたい銘柄があっても、もう黙ってみていることしかできなくなります。
しかし、収入が別にあれば、一時的に資金がなくなっても入金して新規投資をすることが出来ます。
結果的に底値あたりで買うことができれば、のちに大きなリターンを得られる可能性も高まります。入金投資ができる人は不景気時の相場の底で効果を発揮することができます。
最後に
今回は本多静六氏の「私の財産告白」について書かせていただきました。いつか書きたいと思っていたので、書くことが出来てよかったです。また、資産運用の本で「隣の億万長者」という本もあり、こちらもオススメです。またいつかこの本についても書きたいと思います。
本多静六氏は関東大震災で暴落した株や土地に投資したりと、結果的に見れば上手いですが当時としては悲観的でなかなか出来ないことをやっています。
ブラックマンデーやリーマンショックで周りが悲観的な時に、一人で大量に投資したバフェット氏とも似ていると思います。
ところでこの本、戦後間もない頃に書いた老人の著作なので、それにしてはわかりやすい気もしますが、昔の表現や言葉もあって若者はとっつきにくいと思います。
しかし、これからの時代、資産運用は大事だと思いますので、ぜひもっと読みやすいようにリメイクして出版してほしいところです。
いっそのこと若者言葉に変えて出版し、学生に読ませましょう。
「本多の「四分の一天引き貯金法」で、タピる(タピオカドリンク飲む)お金の四分の一残しとくとマジ映えるよ。」
みたいな。(そんなの誰も読まねーよ…)