ためさんです。
この度上映されるピケティのベストセラーを元に作られた映画『21世紀の資本』とはどのような内容なのかを記事にしています。
資本収入>労働収入
いきなりですが、お金持ちになるにはどうしたら良いでしょうか。一般的な考えでは、働いて出世するか、給料のいい会社に就職したり転職するなどの選択肢があると思います。
しかし数年前、「労働者が給与所得で収入を増やすスピードより、資本家が資産運用で収入を増やすスピードのほうが早い」ということが世界各国の過去200年以上のデータから導き出されました。
フランスの天才経済学者トマ・ピケティが2014年に出版した『21世紀の資本』の内容です。
この本は出版当時、約6,000円という価格にも関わらず世界中でベストセラーとなり、物議を醸しました。
今までの世界の常識では、労働者の収入を増やす政策を取れば経済は豊かになると考えられていました。しかし、労働者の所得増加のスピード以上に資本家たちの資産が肥えていたことが分かりました。
簡単に言うと、世界の一握りの資本家たちが、世界中の人々の富を巻き上げていたのです。資本主義とはそういうシステムだったということが分かりました。(まあ、皆うすうす気付いていたと思います)
労働者がどれだけ頑張り給料を増やそうとしても、資本家の資産を運用して得る収入の増加率には敵わないのです。「労働者と資本家の格差はますます広まっていくばかりである」とピケティは証明したのです。
なぜ労働者の収入が増れば格差は消えると思われていたのか
トマ・ピケティの調べた事実は、皆うすうす気付いていた感じもします。にも関わらず、政府は長い間労働者の収入が増えれば、経済格差は勝手に是正されるという考え方を元に経済政策を実施していました。
いったい、いつから世の人々は労働収入が増えれば格差は無くなると錯覚していたのでしょうか。
クズネッツ曲線
その原因は、クズネッツ曲線にあります。アメリカの経済学者クズネッツは、1910年〜1950年頃のデータを元に、「労働者の収入が増えれば、経済格差は勝手に是正される」という結論を導き出しました。
クズネッツのデータのグラフが曲線を描いていたことから、クズネッツ曲線などと呼ばれます。
これまでの経済政策というのは、基本的にクズネッツ曲線の理論を元にしていたことになります。
クズネッツのデータが間違えていた訳ではありません。単純に、クズネッツの生きていた時代が特殊だったのです。
この1910年〜1950年代というのは、世界大戦期です。
グラフを見ると分かるように、ちょうど1910年〜1950年の間だけ、資本家よりも労働者の収入が増加した時期だったのです。原因は戦争の資金調達のため、累進課税を導入したこと等によると考えられています。
そして、この労働者の収入が増え、勝手に経済格差は是正されるというクズネッツ曲線の理論は、ピケティの世界各国を200年以上に渡って調べたデータによって覆されたのです。
お金持ちになりたければ、出世より投資をせよ!
日本のサラリーマンから引かれる税金が増えている昨今、高配当株などに投資を行っている兼業投資家たちは、「給料は税金のせいで減っているのに、増配や再投資などでインカムゲインは少しずつ増えてくれているので有り難い」などと話しています。(羨ましいネー)
給料は増えるほど税金も増えてしまいます。その一方、配当やキャピタルゲインにかかる税金は、どんなに儲けても一律約20%しか引かれません。
実際、トマ・ピケティのデータに基づく推測では、これからの労働による所得の増加率は約1%であるのに対し、資本による所得の増加率は約5%だそうです。
複利の効果などを知っていれば、まあそりゃそうだろという感じでもあります。
2014年に出版され2015年頃話題になったピケティの理論ですが、最近では経済や投資の記事などでたまに耳にする程度です。決して渋谷の街中などで若者たちが「これマジでピケってね?」などと口にすることはありません。(当たり前だろ)
出世を目指すよりも給料の一部を高配当株やインデックスファンドに投資していった方が、数十年後にはお金持ちになっているかも知れないです。
お金持ちになるために頑張って出世を目指している労働者を見て、資本家たちは「そりゃ悪手だろ 蟻んコ」と上から見下しているのかも知れません…。
わしが教えてあげられるのはここまでじゃ…
やるかやらないかお主次第…
誰だよ
という感じで、『21世紀の資本』について簡単に記事にしました。参考になれば幸いです。
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